こんにちは、イチです。
ずっと持っていた疑問がありました。
それは、古民家を耐震診断にかけるとスコアが0になるらしいが、実際の耐震性としてはどうなの? というもの。
現在の建築基準ができる前に存在しているわけですから、当たり前といえばそうなんですが。
自然災害が多い日本、気になります
しかしその疑問が解消したので、その点について記事にします!
この記事はこんな方にオススメ。
古民家に住んでみたいけど、耐震性が気になる
【この記事はこんな人が書いています】
・2021年4月、京都で高校教員→岡山で林業(植林)
・Webライターとして記事複数
・森林インストラクター資格保有
・アレルギー多め(スギ・ヒノキ・ハチ)
住んでいる地域の地震
私たち夫婦は「岡山県」に住んでいます。
岡山に地震のイメージってあんまりないんですよね…
インターネット上には地震の回数がまとめてあるHPなんかがあるので、それを参考に調べてみます。
参考にしたのは「都道府県データランキング 震度別地震回数(https://uub.jp/pdr/q/eq.html)」です。
気象庁のデータをまとめたもので、期間は2004年5月26日〜2014年3月13日。
東日本大震災が含まれる期間です
10年くらいのデータなので、そういった偏りはあると承知しつつ、見てみると…
岡山県は164回(45位)。
他のHP「防災ニッポン」も引用しましょう(リンクを貼ってしまうと怪しい感じなのでHP名だけ)
気象庁の資料では、確かに大地震の回数は多くない。県内で1923(大正12)年から2019年の間に起きた震度4以上の地震は19回。これは、全国で富山県(12回)、佐賀県(13回)に次いで3番目に少ない。最も多い東京都の561回と比べると、約30分の1だ。
※一部脱字を補完
けっこう少ないですね…
ひとまずそこまで地震が心配な土地柄ではない感じ。
ですが南海トラフ地震だとけっこうな被害がでるという予想がされています。
地震が少ない県とはいえ油断はできません。
備えは必須でしょう。
古民家って地震に強いの?
耐震基準・耐震等級という視点
非常にわかりやすく、Ridia、SUUMOのHPにまとめてありました。
リンクは以下の通りです。
Ridia(https://landnet.co.jp/redia/4062/)
SUUMO(https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chukoikkodate/ck_knowhow/c0twn109/)
今回は一般住宅についてなので、マンションに関わる部分は省きつつ簡潔にまとめると、
1950~1981年 旧耐震基準
震度5の地震で倒壊しないこと
1981年 新耐震基準
震度5でも家屋が損傷せず、震度6強や7でも家屋が倒壊・崩壊しないこと
耐震基準だとこんな感じ。
災害の度に強化されていて、どんどん建物の強靭化が図られていることが分かります
次に耐震等級という用語の説明は、RidiaのHPから引用しましょう。
耐震等級:2000年に施行された住宅品質確保促進法で新たに設定された住宅性能表示制度において住宅地震に対する建物の強度を表す基準のことです。
耐震等級は1~3までの3つに分けられており、等級1は建築基準法と同じ基準で、震度6強~7の地震で倒壊・崩壊しない建物となっています。
補足しておくと、等級2は等級1の1.25倍の強度があり、等級3だと等級1の1.5倍の強度があります。
さらに、等級2以上の住宅だと「長期優良住宅」として税金やローンなどで優遇もあります。
…裏を返せば、1950年以前に建てられた住宅は、耐震性をあまり考慮していないってことです。
そりゃそうですよね。
年月が後になればなるほど、地震に備えた仕組みになっていくわけですから。
じゃあ古民家ってやばいんじゃないの?(怖い)
古民家の地震対応システム
怖いなーと思いながらいろいろ調べていたとき、おもしろい記事を見つけました。
クロニカさんのHP「古民家は地震に弱い? だから耐震診断して耐震補強すればいいの? というお話。」(https://kuronika.com/knowledge/earthquake/)
です。
まずは従来の建築方法との比較が行われます。
〇古民家の工法は「伝統構法」というもの。
木材を縦横に組み、コンクリートの基礎はない。柱は石に乗っているだけで地面と繋がっていない。
〇現代の家は「在来工法」で作られる。
縦横の柱に加え斜めの材が加わる。金属のパーツも使用され、土台もコンクリート+金物。
これだけみたら古民家の無防備さが伝わりますね
しかし、そこから読み進めると…。
〇古民家の建築工法は「わざと」行われている。
この建築方法は家と地面を切り離す「免震構造」、衝撃を逃がす「制震構造」の組み合わせである。
どういうことかというと、大きな揺れがきた場合、
①重い瓦で住宅の浮き上がりを抑え、揺れが大きくなると瓦を落として荷重を減らす
②柱などが曲がったり土壁が崩れたりすることで地震を吸収する(制震)
③石の上に乗っているだけの柱が、揺れながら地震の力を揺らす
という3つの動きで処理していくわけです。
え? でも耐震診断は0点になるんでしょ?
地震への対策は「耐震」「免震」「制震」の3つあります。
古民家は免震+制震ですでに地震対策をしていたので、耐震対策はしていないのです。
だから「耐震」診断をかけると0点のスコアを叩き出すわけですね。
じゃあ古民家は地震に強いのか!
と、ことはそう単純ではありません。
このHPでも書かれているんですが、その家のコンディション(シロアリ等)や大工の腕、増改築の有無、地盤やおとずれる地震の強さ、などによって変わってくる、とのこと。
こういう意見は冷静になれるのでありがたいですね。
ただ、耐震診断すると0点になる古民家であっても、100年以上建っている古民家があるのは事実ですよね。
私の住んでいる古民家がどういう状態なのか調べていませんが、かなり建てられてから時間が経っています。
少なく見積もっても70~80年くらい。
シロアリの害もないと言っていただいていますし、増改築もされていません。
もしかしてそこまで地震には弱くないのでは…? というのが現在の私の見解です。
まとめ
以上、古民家と地震に関してまとめてきました。
引用したクロニカさんのHPでは、建築基準法の歴史や古民家が危険視されるようになった背景などを詳しく記述されています。
興味がある方はお読みいただいたら良いのではないかと思います!
とはいうもの、備えあれば患いなし。
食料や水などの備蓄を行い、避難場所の確認をするなどももちろんしています。
必ず訪れるとされる南海トラフ地震…少しでも日本全体の被害が少なくなることを祈っています。